【ピアノ講師になり訪れた2つの転機】
【ピアノ講師になり訪れた2つの転機】
何も語らなくても、楽器をするもの同士すぐに打ち解けることができる喜びを
心底感じた時期がありました。
それは友だち音楽仲間もいない土地で、まだ子どもも生まれておらず、
ひとりで夫の帰りを待つ日々の繰り返し。
そんな時「私のピアノ教室のチラシを見た」と同じ大学の先輩が連絡をくれて、
招待してもらったり、コンサートもご一緒しました。
また当時住んでいた社宅でも、バイオリンを弾く人と仲良くなり、
お互い子育ての傍ら、アンサンブルや発表会で演奏したりピアノを通じて仲間ができました。
私のこのような経験から、
生徒さんにも、音楽を通して人と繋がったり、自分の世界を広げてほしいと思います。
もう一つは
音大卒業後演奏活動を続けるなかで、自分の音に疑問を感じるようになりました。
自分では考えているつもりでも、
何を弾いても同じ音に聴こえ、このままで終わりたくないと悩んでいる時、
モスクワ音楽院のサマースクールに参加したのをきっかけに
ロシア奏法を学ぶことになりました。
今までと違う手や指の使い方、耳をもっと使って聴くこと、
美しいレガートなど教わることは初めて聴くことばかりでした。
習い始めの幼い子どもが弾くような短い曲から始め一回一回のレッスンで
どんどん自分の音が変わって行くのが分かり、
ピアノを弾くことが楽しくなりました。
生徒さんにも少しずつ教え始めると、それまでビアノを歌わせることができなかった子が
コンクールなどで良い評価をもらえるようになりました。
自分の子どももロシア奏法で教えて頂き、
子どもへの指導を間近で見ることができて、私にとってもとても勉強になりました。
ピアノは簡単に音が出る楽器ですが、逆に多彩な音色が奏でられる楽器でもあります。
その喜びや楽しさ、豊かさを生徒さんにも伝えていきたいです。